「WANOPO REMIXES 01」のリミキサーであるマイナス氏と、ジャケットイラストを担当したSHARK氏にそれぞれ今作に込めた想いや、制作に関することをインタビューしました。
INTERVIEW
TO SHARK
SHARK'S TALK
- ジャケットイラストについてお聞きします。これまでSHARKさんのイラストといえば、鏡音リンレンでしたが、今回のジャケットにはリン、レン以外のボカロも見えますが、抵抗はありませんでしたか?
SHARK:抵抗があるかないかというと難しいですが…鏡音以外をしっかり描くのはほぼ初めてなので抵抗感よりも楽しさの方が上回っていた気がしますね。色々描くのはやっぱ楽しいし新鮮ですw MAYUに関しては完全に初めて描いたのでどこか変な所があるかもしれません(笑
-- 衣装デザインのコンセプトについて教えてください。
SHARK:今回の衣装はつなぎにTシャツというシンプルな衣装です。『REMIX』という事で最初に考えたのが『着せ替え』でした。衣装は統一して色だけ変えて、イイ感じに出来ないかなぁと思って今回の衣装になりました。『外見=キャラ』『内面=曲』というイメージで、キャラの個性を尊重したいと思い、つなぎの方をそれぞれのイメージカラーにしてあります。つなぎには同時に曲と曲、キャラと曲を『繋ぐ』という、ちょっとした意味も込めています(笑
そしてTシャツとヘッドホンはカラーをシャッフルしてREMIX感が出せたらいいかなぁ、と。まぁでも、つなぎに関しては個人的な趣味が大半ですが…何かつなぎってカッコいいですよねww
-- いつもイラスト製作するときは、どういう手順で取りかかりますか?
SHARK:依頼のあった楽曲やイメージコンセプトにそってラフ画を起こします。全体のイメージラフと共に衣装も考えます。全体のラフは結構何度も調整しながら細かい点をつめていき、完成形のイメージを整えたら線画に取りかかります。出来上がりのサイズにもよりますが、今回のようにポスタービジュアルも兼ねているものは、大きく印刷した時に画質が耐えられるようにPCで清書していきます。それ以外の場合はボールペンか、つけペンで紙に清書します。俺の中では色を塗る作業が一番時間がかからないですね。というより着彩の前段階に時間をかけ過ぎなのかもしれません。あまりガッツリ色を塗るのが得意ではないのでその分線画に力入れてます!
MINUS'S TALK
-- 今作のコンセプトは?
マイナス:去年の7月にBEST出すまでリンレンしか使ってこなかったけど、もう解禁してもいいかな、って思って。他キャラでまずやったのが、今ある曲のカバー。これが一番個性が理解できるだろう、と。本格的に他のキャラを使い始める前の助走段階も見てもらおうと思ってリリースに至りました。
-- リンレン以外のボカロを初めて使った感想を聞かせてください。
マイナス:一言でいうと、ミクさんは「アイドル」、ルカさんは「お姉さん」、MAYUは「うるさいコ」っていうかんじ。当たり前なんだけど、想像以上にそのイメージが強かった。少しづつだけど、各キャラ用の曲つくってて、その中で自分の調声の個性が出せたら、と考えてる。まだ使いこなせてないな。あ、ミクさんの曲は4月に一曲出る予定。VOCALENDARっていう企画とのコラボで。なかなか個性的な声になってると思うから、聞いてみてほしいな。感想も欲しい。
-- 今作は、あなたのこれまでのリミックスワークの「8HIT -MINUS REMIX-」や「リモコンCYBER PUNK MIX BY MINUS」などの系譜は薄いように感じられました。何か意図があるんですか?
マイナス:去年、ボカロ系のクラブイベントに顔出す機会が何度かあって。中でも、「ボカフリ」ってイベントの主催の方が「ワンオポさんの曲盛り上がるんですよ!」って仰ってて。で、「それならもっとクラブ向けのMIXにしちゃえ」って。実は、去年から暇があればちょこちょこ作ってました。SOUNDCLOUDにUPした「狂騒ノ現-裏MIX-」とかもその一環ですね。あれは、クラブ向けとかいうコンセプトとは外れるけどね。セカンドワーク的にリミックスは、思いつけばやってます。特に趣味もないしね。
-- 今作の選曲はどうやって決めたんですか?
マイナス:閃いたものから手をつけて、完成した順に並べて通りがいいものをパッケージした。まだ完成してないものもあるので、それは次で。
-- 主にじーざすさん作曲の曲をリミックスされてる意図は?
マイナス:テンポがBPM160くらいまでで、16分ノリのほうがリミックスしてて楽しいですね。8分だと、16分くらべて音入れる隙間が半分だし。ま、コード変えたりする手法で出来なくはないけど。「GAME -ROCK MIX- / feat.MAYU」は原曲が早い16分なんだけど、8分にした。アレは6曲中の1曲だから許されるリミックス手法っていうか。ボーナストラック的に聴いてほしいな。
-- サウンドメイクのこだわりはありますか?シンセ音が主体ですよね。
マイナス:エレクトロ主体にしようと思ってたからシンセ主体だね。シンセは、LOGIC9付属のシンセとかKONTAKT PRAYER 5のANALOG MASCHINEとかサンプリング使ったりとか。Logic9ではES Mがほぼ全曲使ってるな。あと、今回の音源から生ギターもちょこちょこ弾いてます。LRで鳴ってるギターのどちらかは打ち込みで、それをコピーしたり。「foa-underfloor_32491 MIX / feat.RIN」でやってる。これも解禁=助走っていうコンセプトに基づいてギターのリハビリをしてるかんじ。ボカロでいうと、ルカさんはまだ英語しか触ってない。MAYUはハイがきついからシャウトがやりやすい、とか。あの子は叫んでナンボじゃないかな、と。リンレンは、多少手直ししたくらいでほぼBEST盤のときの調声で、DAW側でいじった。ボコーダーは多様して、より機械っぽくしたり。
-- キャラの選別や、タイトルはどのように決めましたか?
マイナス:タイトルは「見ただけで音が想像できるもの」になるべくした。いわゆるリミックスって、曖昧な表現に曖昧な言葉をつけて売ってるでしょ?そこはなんか違うなって。ただ、foaは原曲の世界観を重視してつけました。foaとechoは、実際に歌わせてみたけど、イマイチで。世界観が合わないんだと思ったな。俺のボカロとの付き合い方は、「そのキャラをプロデュースする」ことが大前提にしてて。プロデュースするからにはそのキャラの事をよく知らないといけない。今作は、その過程の一部なんです。AKBでいえば、秋元康もAKBグループの子を全員キャラクターとかを把握してるわけでしょ?じゃないとプロデュースとかできない。違いは対象が人間か、マシンか、っていうだけで。・・話を戻すと、キャラと曲のマッチングは90%は閃めきだな。
--では、最後に読者に一言お願いします。
マイナス:表現の幅を広げていこうと思い、助走してます。この作品を通じて自分で会得したテクニックなどをまた皆さん披露できることが楽しみ。まずは、イベントなどで会いましょう!
使用したソフトシンセとプラグイン類の一部。Logic 9付属のものが多く、
vocoderなども見られる。
VOCALOID EDITOR画面。画像は「inside-d.n.b MIX-」のメインパート。
巡音ルカのEnglishライブラリが表示されている。
-- ここを見てほしい!というようなこだわりのポイントがあれば教えてください。
SHARK:こだわりという訳ではないですが、俺としては非常にレアな鏡音以外のキャラクターですかねw 髪の毛を描くのが苦手なのですが、個人的にはミクの髪の毛が案外上手く描けた気がしてます(笑
-- 製作した際のソフトなどのツールを教えてください。
SHARK:大体いつもそうですが、まずスケブにシャープペンで下書き。基本はフォトショで清書していきます。今回の場合は背景のステージをスケッチアップで大まかに起こしてからイラストレーターで細かい部分を線画用に整えています。着彩はメインはフォトショップですが文字や効果などはイラストレーターで描いたパーツをはめ込んでいます。
-- 最後に読者に一言お願いします。
SHARK:ワンオポファンとしてはREMIXES01はすごく面白くて新鮮な1枚になっていると思います!俺も一ファンとして、聴かせてもらった時にはマジで鳥肌ものでしたよ!!イベントでたまたま出くわしたら気軽に声かけてください!イラスト気に入って頂けてたら本気で嬉しいのでww 人見知りなのでこそこそしてますが(笑
衣装デザインのラフ。「リミックス」というコンセプトから、「Tシャツ+つなぎ」を考案。
それぞれのキャラクターカラーをシャッフルした。
背景込ラフの別パターン。のちにキャラクターのポーズや、MAYUの追加、
パーツ類が変更され、メインビジュアルが完成する。
REMIXES 01
WANOPO
SOUND